TVの代わりに触れられる名著

 

 

僕の部屋にはTVがありません。語学の勉強にもなるし、仕事上あった方がいいのだけれど、学生時代からずっとそうだったので、自分としてはもうそれが自然なことなのです。

 

遥か昔、東京のテレビ局で映像の仕事をしていながらTVを持ってないことを先輩につっ込まれ、「別に必要ないですからね」とのたまったけれど、ないものはない。(今思い出すとなかなかスゴイ発言だなぁ。噂は一瞬で広まり、一番下っ端なのに「武闘派のクノ」と揶揄されました)

 


TVはないし、夜PCを見るのも好きではない。代わりに出来ることは読書です。特に夜、外出していない時はその機会ですが、よく枕元に置いていある本があります。

 

 

  「地雷を踏んだらサヨウナラ」(講談社)

 

 

カメラマンの間ではとても有名な本で、ずいぶん前だけど映画にもなったのでご存知な方もいると思います。1970年代に26歳で他界したフリーカメラマン・一ノ瀬泰造さんの日記と書簡を元にしたもので、2時間で読める文庫本だけど、著者の人間性と生き方が丸出しのこの本は、心に響く言葉が多い。とにかく一ノ瀬さんは突っ込んでいくカメラマンで、映画でもドラマチックに表現されていた。

 


日本人は性急な死に対する美学を持っていると思う。それはたぶん江戸時代の武士道から来ているのだろうけれど、本人の意思とは関係なく、夭折は時に「燃え尽きた」という言葉に言い換えられてしまう。この一ノ瀬さんももし、26歳で亡くならなかったら、こんな風にヒーロー視・伝説化されることはなかったでしょう。そんなことより何より、本人は生きていたかったに違いないと思います。

 

 

 

それでもなお、モーツァルトやシューベルトと同じく、その対価は自立した現象として今も生きている。少なくともここに。

 

 

理由があって20年以上コレクトしていた本(そのほとんどはアフリカに関するものとドキュメンタリーだった)を全て捨ててしまったけれど、この本は今も僕の手元にある。本との出会いは人との出会いと同じだ。他者が何と言おうと、どう思われようと「オレはこう生きたいんだ(文句あるか!)」という姿勢を今も見せてくれる、素晴らしい本です。

 

 

そして同時に、100mダッシュで人生を駆け抜けるのもいいかもしれませんが、願わくばマラソンランナーのように、自分のペースで懸命に生きていくのも、素敵なのではないでしょうか。

 

          

  

 

                                           

 

 

 

 

               current location : KENYA

 

 

 

 

 

 

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